医療過誤解決事案
医療過誤解決事案一覧表
医療事故研究会の会員が取り扱い,一定の解決を見た医療過誤事案の一部を紹介いたします。
〔循環器科〕
01 狭心症で入院した患者が狭心症発作によって死亡したのは投薬に関する医師の説明義務違反に原因があると認定された事案
02 経皮管的冠動脈形成術(PTCA)実施中,冠動脈を穿孔し,その結果,心室細動等が発症して死亡した事案
03 肺塞栓症で死亡したのは医師の検査義務違反に原因があると認定された事案
04 背部,項部,両上肢の痛みを訴える患者に対し,固有背筋由来の疼痛と診断して経過観察としたところ,6時間後に心筋梗塞で死亡したケースにおいて,医師の心電図実施義務の有無が争われた事案
05 心疾患(シャント手術,グレン手術,フォンタン手術)のある患者が入院中,酸素飽和度,脈拍,WBC,CPR等が正常値を大きく超えたにも関わらず適切な処置を施されなかったため死亡した事案
〔消化器科〕
06 胃ろう造設手術をした患者に対し栄養剤を胃内でなく腹腔内に注入したか否かが争われた事案
07 造影剤を原因とするアナフィラキシーショックで患者が死亡したのは医師の救護措置義務違反等が原因であるか否かが争われた事案
08 大腸ポリープを内視鏡下で切除後患者がショック状態となり死亡したのは医師の輸血実施義務違反が原因か否かが争われた事案
09 突発性大腸穿孔の患者で緊急手術適応であるのに,心疾患と誤診し,死亡した事案
10 大腸ポリープ摘出手術後に出血性ショックで患者が死亡したことについて,担当医の過失を否定した高裁判決が破棄された事案
11 胃癌摘出手術が成功した後,術後肺炎に罹患したが,当該肺炎に対する治療及び術後管理のまずさから死亡した事案
12 十二指腸ポリープを内視鏡下で切除後,十二指腸に穿孔が生じ,敗血症,多臓器不全により死亡した事案
13 下行結腸癌による腸閉塞に対し緊急手術をして減圧処置を講じなかったことが死亡原因であるか否かが争われた事案
14 消化器科医が生検のために直腸横ヒダから採取した組織を肛門炎症部から採取した組織と誤って報告したため,病理医が肛門の粘液腺癌と誤診し,又,当該消化器科医が手術適応で患者紹介をしたため,後医で不必要な腹会陰式直切断術,S状結腸単孔式人工肛門造設術が実施された事案
〔泌尿器科〕
15 腎生検の際,腎臓の組織でなく脾臓の組織を採取し,大出血を来たした後死亡したが,患者が高齢で他疾患もあったことから死亡との因果関係が争われた事案
16 前立腺肥大症の手術で尿失禁状態となったことについて,泌尿器科の執刀医に過失があったとされた事案
〔脳神経外科〕
17 くも膜下出血後のクリッピング手術後脳梗塞となったが,減圧手術が行われずに死亡した事案
18 水頭症の患児の脳圧亢進を見逃し,失明させた事案
〔神経内科〕
19 右大脳半球の脳梗塞に対する内科的治療,及び右内頸動脈の狭窄に対する外科的治療の要否が争われた事案(裁判上の和解)。
〔整形外科〕
20 右足関節固定術後の髄内釘抜釘術の際,神経を刺激ないし損傷したことにつき医師に過失があると認定された事案
21 左手環指の先端部分を受傷した患者に対し,保存療法を実施せず,末節骨を切断するという断端形成術を実施した事案
22 変形性膝関節症のため人工関節置換手術を受けた患者の左大腿動脈が血栓により閉塞し,そのため左大腿切断したのは,血栓摘除術の際の医師のカテーテル手技上の注意義務違反等に原因があると認定された事案
23 骨折手術後の抗生剤投与によりアナフィラキシーショックに陥ったが,その後の蘇生手順が悪く死亡した事案
24 自損事故により開放性骨折し,修復手術を受けたが,抗生剤の使用方法の基本が守られておらず,慢性骨髄炎に罹患した事案
25 交通事故により骨折の傷害を負った患者が,リハビリ中に理学療法士の過失により再骨折した事案
26 椎間板固定術を行うに際し,実験的手技である「経椎弓固定術」が用いられたが,スクリューが脊柱管内に逸脱して硬膜管及び神経根が存する部分を貫通してしまった事案
27 腰痛、レントゲン撮影により、化膿性脊椎炎と診断され、長期間、抗生剤治療が行われたが、死亡直前、結核性脊椎炎であったことが判明し、手遅れになって死亡した事案。途中、腎炎治療に伴うESWL(電気水圧衝撃破砕石術)を行った際、両下肢不全麻痺が生じたのに、手術をしなかったという問題もあった。結核検査や手術をしなかった過失や、ESWL(電気水圧衝撃破砕石術)の際の過失が問題になり、裁判上の和解で解決した事案
〔形成外科〕
28 2指の指先を誤って機械で切断した後,指先を持って急いで近医を受診したが,吻合技術のない医師が転院させずに自ら処置したため生着しなかった事案
〔産科〕
29 吸引分娩により出産した妊婦に対し医師が適切な輸血及び輸液を実施しなかったため,妊婦が出血性ショックにより死亡したと認定された事案
30 新生児に脳性麻痺が発生したのは,医師が胎児仮死を見落し,帝王切開等の急速遂娩の措置をとらなかったことに原因があると認定された事案
31 分娩した胎児が死亡していたことについて医師の胎児心拍の監視義務違反の有無が争われた事案
32 胎児に脳性麻痺が発生したのは分娩監視装置による持続的モニタリング実施義務違反が原因であるか否かが争われた事案
33 胎児に脳性麻痺が発生したのは帝王切開の時期を逸したのが原因であるか否かが争われた事案
34 帝王切開の際,患者の同意なく卵管結紮術という避妊手術がなされた事案
35 二卵性双生児の1児が胎内で死亡し,他の児の胎児心拍にも異常をきたしたが,緊急帝王切開手術が遅れ,1児は死産,1児は脳性麻痺となった事案
36 ハイリスク分娩で,胎児の心拍に異常をきたし,また,陣痛が開始しているのに娩出が遅れ,脳性麻痺となった事案
37 双子の一方が胎児仮死・新生児仮死で低酸素状態に陥り,後に死亡したことについて,産科医の過失責任が認められた事案
38 双児出産の際,第2児が臍帯脱出,片上肢脱出となり,重仮死状態から死亡するに至った事案
39 母体に感染徴候が見られたのに早期娩出を図らなかった過失により,児が敗血性ショックとなり,脳梗塞を併発して,ウエスト症候群(てんかん性痙攣),右片麻痺,言語発達障害等の後遺障害が残存したと主張して争った事案
〔小児科〕
40 幼児の MRI 検査に際して鎮静目的で麻酔薬を使用したため,患者が心停止・呼吸停止に陥り,重度の脳障害を負ったことについて,担当の小児科医の責任が認められた事案
41 腹痛・嘔吐で早朝に入院した小児患者が翌日に絞扼性イレウスで死亡したことについて,主治医の責任が認められた事案
42 乳児(女児)が入院中点滴を受けていた際,薬剤が皮下に漏れ出したが,看護師が気付くのが遅れ,皮膚移植を要することになり,腕に移植痕が残った事案
43 気管支軟化症の患者に対して気管切開手術を実施している最中、気管カニューレが外れたため、容体が急変して死亡した事案
〔歯科〕
44インプラント手術後,重症感染症となり死亡した事案
45 歯科治療の際に使用した麻酔剤で患者の重症筋無力症が増悪したことについて,歯科医の過失責任が認められた事案
46 C3の齲蝕があるという理由で3歯につき抜髄したものの、記録上、いずれにもC3の齲蝕があったとは言えず、抜随の必要性があったとはいえないと評価された事案
〔皮膚科〕
47 腋窩多汗症の治療法を医師が誤り,代償性多汗症という後遺障害を発生させた事案
〔美容整形〕
48 大腿部の脂肪吸引術を受けた後,合併症である肺動脈血栓塞栓症により死亡したのは,医師の術後管理に過失があると認定された事案
49 殿部の脂肪吸引手術を受けたところ,事前の説明と異なりでこぼこに醜くなった事案
〔眼科〕
50 黄斑変性症は近視矯正手術であるレーシックで治ると説明されレーシックを受けた患者が医師の手技上の過失によって乱視の悪化等の後遺障害が残った事案
51 緑内障患者に対して、眼圧が正常値を超えていたにも関わらず、視野検査を長期間実施しなかったために、トラベクレクトミー手術(線維柱帯切除術)を実施する時期が遅れて、視力低下、視野欠損を招いた事案
〔耳鼻咽喉科〕
52 顎下の肉腫に対して抗癌剤の投与量を誤り,その副作用で患者が死亡したことについて,主治医やその上司の責任が認められた事案
〔内科〕
53 抗菌薬の静脈注射後,患者がアナフィラキシーショックに陥り死亡したのは,医師の問診義務違反等が原因か否かが争われた事案
〔精神科〕
54 興奮状態で精神科に入院した患者に対して大量の鎮静剤を投与したため,患者が呼吸停止に陥り,植物状態となったことについて,病院側の管理責任が認められた事案
〔麻酔科〕
55 心機能の検査を全身麻酔で行ったが,検査医師が被験者の舌根沈下による低酸素状態に気付かず検査を続けたため,患者は低酸素状態が長時間続き,心停止に至った事案
[呼吸器科]
56 入院中の肺がん患者に対し,カリニ肺炎治療のためベナンバックスを投与することになったところ,担当医が3日間連続して常用量の5倍を投与し患者が死亡したことについて,ベナンバックスを投与した担当医の他,薬剤師の過失も認められた事案。
〔遺伝性疾患〕
57 遺伝性疾患のある子を出産したのは医師の説明義務違反の結果であるとして,両親の病院に対する介護費用等の損害賠償請求権が認められた事案
〔薬害〕
58 高脂血症治療薬であるベザトール及びメバロチンの服用により1筋萎縮及び筋力低下,2感覚障害,3排尿障害,4嚥下障害が発症したと認定された事案
〔病院の管理責任〕
59 入院中の三歳児がベッドから転落死したことについて,安全柵の確認不十分のまま病室を離れた看護師と病院に過失責任が認められた事案
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